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〒190-0011
東京都立川市高松町
2-25-3
メープル立川1F
TEL・FAX 042-524-0722
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子どもの歯並び

歯並びの原因

呼吸の問題

歯科医院を受診されるお子さんに、「普段なるべくお口を閉じるようにしてくださいね。」と指導することが、よくあります。
これは、“口呼吸”(こうこきゅう)をしているのです。  

実際、虫歯や、歯周病になる方、不正咬合の方は口呼吸をしていることが多いです。  

そして、実際は、口を開けたくて開けているのではなく、アレルギー性鼻炎や、扁桃腺が肥大しているために、鼻が通らないため、やむを得ず開けているのです。  

そして、ヒトは生きていくためには、“呼吸”が最も重要であり、“歯並び”、“お口の健康”などは後回しになるのです。  

そして、口呼吸をしている状態ですと、“舌”の位置も前の方に出てきます。 (“舌”がでてきてしまうので、口をあけてしまう、とも言えますが)  

歯は“唇の位置”と“舌”の位置の間に並びます。(下図)

(Muscle Wins!の矯正歯科臨床  近藤悦子著より)

したがって、この「呼吸の問題」は最も優先的な重要な問題であります。

舌のくせ(舌癖)

口腔習癖

口腔習癖には、以下のものがあげられます。(舌突出癖以外の)  

指しゃぶり
○おしゃぶり癖・・・毛布やタオルをしゃぶるくせです。
○咬唇癖(こうしんへき)・・唇を習慣的に咬むくせです。
○吸唇癖(きゅうしんへき)・唇を習慣的に吸うくせです。
○爪咬み  ・・・・・・爪を習慣的に咬むくせです。

態癖(たいへき)

頬杖やよくない睡眠姿勢のように、顔面に外から悪影響を及ぼす力を加える生活習慣のことを「態癖」といいます。
(顔・からだ バランスケア 筒井照子著 医歯薬出版より)  

睡眠時のうつぶせ寝や、片方ばかり向いて寝ていると、顔も左右非対称に変形し、歯列もゆがみ、歯並びが悪くなるだけでなく、歯もダメになっていきます。  

さらに、お仕事などで、長時間、同じ姿勢を続けていると、食いしばり(クレンチング)を無意識に、習慣的に行っている事が実際に患者さんを診ていると、たいへん多くみられます。  

この場合も、歯が動かされ、前後、左右だけでなく、食いしばる力で、歯が圧下され、歯ぐきや、顎(あご)の骨にめり込んでいる状態になるのです。

咬み方(食育の問題)

これは、よく、食べものを噛んでたべているかどうかで、の成長もだいぶ差がでます。  

お子さんの場合、前歯4本が並ぶ、6~8歳(小学校低学年)の時期がとくに大事です。  

この時期、よく、咬んでいるかどうかで、一生の歯列(歯並び)はほぼ、決まってしまいます。  

また、顎の成長はほぼ、体の成長と連動しているので、男の子の場合は中学生になっても、ある程度成長が見込めますが、女の子は小学校高学年にピークを迎えるので、この時期をのがさないように、食育に取り組むのが望ましいです。

矯正治療を始めるにはこの時期です

「小学校入学前後の下の前歯が4本生えてきた時期です」

「小学校1~2年生の、下の前歯とともに、上の前歯が生えてきた時期です」

「小学校3~4年生の前歯4本の萌出が終り、横に犬歯が生えてきてしまいました。」この時期になりますと、犬歯を動かさなくてはならないので、治療の手間、期間がかかるようになります

矯正を始める年齢について

お子さんの乳幼児健診、歯の衛生週間などの健診で、よく、「矯正治療が必要ですか?必要であれば、いつから始めたらいいですか?」というご質問を保護者の方からいただきます。  

そこで、歯科医から、「様子を見ましょう。」と言われた方が多いと思います。  

従来行われてきた矯正治療は、歯を抜くのが前提であったため、小学校高学年(10歳ころ)まで経過観察し、その頃は生えてくる永久歯である、第一または第二小臼歯を左右、さらに上下抜いて、歯並びのスペースをつくって歯を並べようとしていました。  

したがって、小学校入学前、小学校低学年の時期の成長発育にとって大切な時期が見逃されてきました。 たとえば、受け口(反対咬合)の場合は子どもの歯が生えそろう3歳前後から発症し、小学校入学前後の子どもの前歯が永久歯に生え換わる時にさらに、反対の咬み合わせが定着し、さらに、体の成長にともない、骨格性の難治性な状態に移行していくことが多くみられます。

お子さんの体の成長発育が進む前に誤った発育の方向を修正することができれば、治療期間が長期に亘ったり、歯を抜いたり、あごの骨を切ったりすることが避けられ、患者さんや、ご家族に負担を減らすことが可能となるでしょう。  

さらに、歯並び、咬み合わせが悪くなった原因を、生活習慣、態癖、口腔習癖などに知識のある歯科医師と相談し、早期に改善できれば、費用のかかる歯列矯正をすることも避けられると思います。  

“矯正治療をしなくて済む”これが理想ではないでしょうか。  

状態(症状)に応じて、以下簡単にまとめました。  

○出っ歯(上顎前突)  

小学校入学前後(5~6歳)に前歯が生え始めるころ、実際に“出っ歯”に見えるようになった時期から対応が必要です。
まず、よく、咬んで食事をすること、よく、“歩く”こと、これから始めます。 実際に床矯正の装置を使用し始めるのは、上下ともに、中切歯の横の側切歯が半分以上生えてからです。   

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○受け口

(反対咬合、下顎前突) 乳歯列期(4~5歳)の前歯が生える前から対応が必要です。 舌の位置と口の周りの筋肉の状態を変えていく(受け口は舌の位置と口の周りの筋肉の動きが原因)装置(3500円)をつけて治療していきます。
子どもの前歯が永久歯に生え換わる時期(6~7歳)にも、前歯を前に出す床矯正装置を使用することもあります。  

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○八重歯

八重歯とは犬歯(糸切り歯)がポコンと横に飛び出た状態なので、開始時期は犬歯が生える時期(10~12歳)以降になってしまいます。
しかし、前歯4本が生えている時期(7~9歳)に、“前歯4本が重なっている状態”であったり、“前歯4本でいっぱいいっぱいで、横に乳歯の犬歯がすでに抜けてしまって、永久歯の犬歯の並ぶ隙間がない状態”であれば、八重歯に確実になる状態だといえます。
ですから、犬歯が生える前に床矯正の拡大し装置などで対応できれば、治療期間、費用とともに、少なくてすみます。

態癖

態癖とは、歯並びの原因になっている、日常生活のなかでの悪い歯並びになってしまった習慣をいいます。 今の歯並びは、生活習慣の結果にすぎません。 

したがって、歯並びを直していく場合、この、“態癖”も直していかなくてはなりません。 この“態癖”には以下のようなものがあります。

睡眠態癖(うつぶせ寝、横向き寝など)

態癖のなかで、最も多く見られるケースです。さらに、睡眠は長時間にわたり、同じ姿勢でいるため歯並びに影響を及ぼしやすいといえます。 

“うつぶせ寝”は、頭の重みが口の周辺にかかってきます。顔の向きも、左右どちらかに偏ることがおおいので、歯並びのアーチも狭く変化し(狭窄歯列弓、V字歯列弓)、歯も並びにくいです。さらに、下顎の位置も変化し、顎関節症(がくかんせつしょう)になる場合もあります。 

横向き寝も同様です。 

そして、うつぶせ寝、横向き寝の、横を向いた顔の下に手(腕)を入れる人も少なくありません。 

この場合、さらに、顔の一部分に強い力が加わり、歯並びだけでなく、顔も変形していきます。

頬杖

片手、両手、パソコン時などさまざまですが、手のひらで直接ほっぺたやあごを押さえるので、歯並びのアーチはゆがんでしまいます。 

また、うつぶせ寝と同様に、顎関節症の原因にもなります。 

この頬杖はよく、「頬杖やっていませんか?」と質問しますと、ほとんどの人(とくにお子様)は「やっていない。」と言われますが、無意識にやってしまっていること(とくに授業中)が多いので、御家族や、周りの方がその時、ご本人に注意してあげるといいです。

口腔習癖

これは“指しゃぶり”や“爪咬み”などは、お子様に多いですが、口をいつも開けている、“口呼吸”や、舌を突出させる“舌癖”などは、大人でも、よくみられます。  

口腔習癖のページ参照

日常生活での姿勢

“歯並び”は歯に加わる力により、常に変化していくものなので、力を入れる時や、重いものを持つ時、歯を食いしばったり、長時間同じ姿勢を続けることによって、体に負担がかかり、歯並びに影響することもあります。 

食いしばりにより、奥歯の長さが短くなったり、姿勢により、上下のあごの位置が変わり、歯並びに変化が生じることもあります。  

“歯ぎしり食いしばり”についてはこちらをご参考にされてください。 

歯ぎしり、くいしばりについては、立川歯周病研究所

長時間のパソコン

日常生活での姿勢にも関係してきますが、最近とくに増えてきています。
これは、単に歯並びだけの問題ではなく、歯周病の進行、歯の寿命にも関わってきます。
“以前より歯並びが悪くなった”と感じられる場合は、この“咬合性外傷”のケースも考えられますので、注意が必要です。


≫ 歯周病を加速度的に進行させる咬合性外傷

楽器演奏

口にくわえる楽器の場合、どうしても、歯並びに影響がでます。 

その場合、前歯などは、負担が多くかかり過ぎて、歯並びだけでなく、歯の神経まで、弱くなったりしますので、お子さんの歯にしみる、違和感などの症状がありましたら、早めに歯科を受診されてください。 

さらに、バイオリンなど、あごで楽器を支えるものなども、あごの位置、噛み合わせなどが変化し、歯並びにおおきな影響がでてきます。 

スポーツ

運動も、適度なものならばいいのですが、長時間にわたったり、瞬間的に大きな力を出さなくてはならないもの(たとえば、ウエイトリフティング、ゴルフなど)は注意が必要です。 

歯並びだけでなく、歯を守るために、マウスピースなどをはめた方がいいこともあります。

マウスピースはその厚さ、硬さなど、多岐にわたりますので、歯科医院に御相談ください。

読書・趣味

読書時、うつぶせであごに負担をかけていますと、噛み合わせ、歯並びに影響がでてきます。 

趣味も時間、頻度などで、体への負担のかかり方が決まってきます。

体育座り

お子様の場合、この“体育座り”の頻度が多くなってくると思いますが、背中をまるめて、頭を前に突き出した姿勢は、あごにも歯にも負担をかけます。 テレビを見る時、本を読む時などは、椅子に座ってみるようにしましょう。   

食事の時の姿勢

歯は物を咬むためのものでありますから、この食事の時の姿勢は大事です。 

お子様の場合、食事の際は椅子に座っている時は必ず床に足をしっかりとつけましょう。足がブラブラしないように、椅子の高さを調節してあげてください。 

歯並びだけでなく、あごの成長、顔貌、姿勢、咬み方、歯の寿命など、多くの事に関わってきます。 

あと、猫背にならないよう、口を食器にもっていくのではなく、お茶碗などは、ちゃんと持って食べるようにしましょう。

理想的な歯並び

ここにご紹介いたします3人の患者さんは、理想的な状態の歯並びですが、矯正治療は全く行っていません。良い生活習慣、食生活をすることで、歯は自然に並んでくることが多いのです。
歯並びに関しましては従来、遺伝的な要因が強いとされてきましたが、環境的要因のほうが大きいのです。

【お母さんのお話】

Sちゃんには、4歳になるまで甘いものはほとんどあげていませんでした。
りんごジュースをたまにあげます。
ごはんはよく、噛んで食べるように見てあげてます。
食後は歯みがきの後にはデンタルフロスで必ずみがいています。

【院長先生のコメント】

少なくとも3歳までは、甘いものを控えるように皆さんにお話ししています。
Sちゃんは虫歯がないのはもちろん、歯並びも理想的です。
下の前歯の間に隙間があるのをよく見てください。
永久歯が生える時(6歳前後)にはちゃんときれいに生えてくるでしょう。

【院長先生のコメント】

Mくんの歯並びも素晴らしいです。
右上の中切歯(おとなの歯)が生えてきましたが、ちゃんと並ぶスペースがあります。
Mくんのお母さんは、食べる時の姿勢をきちんとするように気をつけていらっしゃいました。
これはすごく大事なことで、きちんと床に足をつけて、背筋を伸ばして食べないと、ちゃんと噛めないのです。
あごが変な位置で咬む習慣がついたり、咬むのに、力が入らないのです。
素晴らしい、お母さんです。

【お母さんのお話】

食べものの好き嫌いはあまりありませんでした。
食べたら、すぐに、歯磨きするよう指導しました。
好き嫌いはほとんどなく、ファーストフ―ド系のものは、食べさせず、手作りの食べものを極力心がけました。

【院長先生のコメント】

15歳は中学生ですが、歯並び的には完成された、大人の歯並びです。Rさんの場合、矯正治療は全くしていませんが、バランスのとれた、たいへん美しい歯並びです。
歯並びのアーチもきれいなU字形で、上下ともに、自然なバランスのとれた顎(あご)の成長がみられます。
これは、規則正しい生活習慣、きちんとした食生活、上向きに寝る(横向きに寝ない)などの結果といえます。

歯並びの良くない例

叢生(そうせい)

歯が重なって生えている状態です。特徴的なものには、犬歯がとびだしてしまう、八重歯があります。
一般に前歯にみられ、奥歯(小臼歯部)がなる場合もあります。
前歯は、比較的治療しやすいですが、犬歯が生えてくる前に対応したほうが、治療期間も、費用も少なくすみます。

叢生
叢生

【原因】

  • 歯の大きさがあごの大きさに対して大きい。
  • あごの成長不足。
  • よく噛んで食べていない。
  • 横向きに寝る習慣がある。

【治療法】

歯並びを拡大する装置で歯並びのアーチを広げて歯を並べます。
時期的には、小学校低学年から、治療を始めます。
矯正治療によって、歯並びを広げるとともに、大事なのは、“前歯で食べ物を噛みきる”ように、意識することです。
食生活も、やわらかいものへ変化してきていますし、お母さんも、お子さんが食べやすいように、一口サイズにしてあげることが多いですよね。
したがって、前歯を使わなくても、食事できるわけです。
体は使わなければ、十分に発達しません。
お母さん方は、食べ物を大きくして、“かじる”食事にしてあげてください。
矯正治療は、ただ、“装置によって、歯を動かす”だけでなく、よく噛んで、噛み方も変えていくことが、重要なのです。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

前歯が飛び出している状態をいいます。
上あごの一番前の歯(中切歯)が2本、飛び出しているのをよく見かけます。
小学校高学年になり、奥歯が生えてきて、体、あごともに成長するにつれて、自然に治っていく場合もあります。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

【原因】

  • 上あごの成長不足(上あごの成長が悪いのに、なぜ、上の前歯が出ているのかといいますと、歯の根の部分にあたる上あごの骨の成長が少ないため、歯が前方に傾斜してしまうのです。)
  • ですから、永久歯を抜いて矯正治療をすると、ますますあごの成長が抑えられてしまい、顔貌に影響がでることが考えられます。
  • 姿勢が悪いため、下あごが後ろに引っ込んでしまい、相対的に上の歯が出て見えるようになることも多くみられます。
  • 鼻がいつも詰まって呼吸しづらいため、口呼吸になって、口をいつも開いているため、歯が出てきてしまうこともあります。

【治療法】

小学校低学年のうちに、上下同時に拡大床を入れて歯並びのアーチを広げてあごの成長をさせていきます。上あごが成長すると、舌の収まる場所がつくられます。
舌が上あごの内側(口蓋)に収まると、さらに、正常に上あごが成長しやすくなります。よく、“床矯正は拡大床で闇雲に歯並びのアーチを広げている”などと歯科医でも言う人がいますが、舌の収まる場所をつくっているのであって、“舌の場所”が無いと矯正治療後に必ず“後戻り”といって、舌に押されて、歯並びが乱れます。
そして、“よく噛む”ことにより、自然な、きれいな歯並びになっていくのです。
姿勢と鼻づまりは関係があり、呼吸しにくいので、姿勢が悪くなってしまうということもあります。
鼻づまりが慢性的な場合は耳鼻科を受診されるといいでしょう。
お子さんの習慣による姿勢の悪さ(とくに、長時間ゲームをしているとき)は改善できるところは注意してあげて、治していきましょう。
当クリニックの矯正治療に通われているお子さんたちの場合、男の子は、サッカー、野球などのスポーツをしているお子さんは、あごの成長も良く、それとともに鼻づまりも小学校高学年になるにしたがって、自然と改善されていくことが多いです。
女の子の場合、お母さんとの関係がしっかりとしていて、食事のときには落ち着いて一緒にごはんを食べているような安定した生活をされているお子さんはあごの成長がいい傾向にあるようです。
おそらく、精神的な安定が成長にいい影響を及ぼすのでしょう。
上あごがしっかり成長し、その成長した環境、状況が継続すれば、下あごも成長し、きれいなかみ合わせがつくられていきます。

下顎前突(かがくぜんとつ)(受け口)

通常、かみ合わせは、上の歯が下の歯の上に被さりますが、それが逆に下の歯のほうが、前に出てきて、上の歯の上に被さっている状態をいいます。
前歯だけが反対になっている場合、奥歯だけが反対になっている場合、前歯奥歯ともに逆になっている場合があります。
症状が軽度の場合は、歯のかみ合わせだけが、しかも、1~2本だけ逆になっています。
重度の場合、あごの大きさ自体がアンバランスになり、顔も、下あごが長くなり、“縦に長い顔”になってしまいます。

下顎前突(かがくぜんとつ)(受け口)
下顎前突(かがくぜんとつ)(受け口)

【原因】

  • 上あごの成長不足(従来は下あごが成長し過ぎると言われてきましたが、実際は上あごの成長が少ないためです。)
  • 遺伝的なもの。
    叢生、上顎前突と比較して、遺伝的なものの影響が強くでます。
    したがって、遺伝的要素が強い場合、お子さんの背が伸びる小学校高学年以降に下あごが伸びてきて顔が長くなってきます。
    ご両親のうち、どちらかが、骨格性の受け口だった場合、遺伝的影響をうけやすいです。
  • 歯並びには、舌の位置がポイントになりますが、通常、舌は上あごの口蓋の部分にくっついており、舌が上あごにくっつかずに、下あごの前歯の内側に落ちてくると、下あごを前の方に押し出して、下顎前突になります。

【治療法】

開咬とともに、舌の位置が関係しているので、たいへん矯正治療自体が難しいです。
前歯の角度が変わっただけの軽度のものは、比較的簡単に床矯正で治せますが、骨格性に遺伝的要素の強い重度の受け口は、永久歯を抜いてワイヤー、ブラケットで歯を動かす従来の矯正治療では、治しきれませんでした。
一見一時的に改善したように見えても、成長とともに後戻りし、“あごの骨を外科手術で切る”という処置をしても、舌の位置の改善という原因には対処していないため、治りませんでした。
当クリニックで行っている床矯正でも、軽度のもの以外は、治すのは難しいです。(軽度のものは、出来るだけ早期に、前歯が永久歯に生え変わる小学校1~2年に治療を行うようにしています。)
ただひとつ、 バイオブロック治療(RAMPA治療) のみ、根本から治すことができます。
バイオブロック治療は、あごを矯正装置により、拡大、成長させ、舌のスペースをつくり、結果的に歯もきちんと並ぶという治療法です。
ただ、対象は小学校低学年のお子さんに限られますので、早め早めの相談をお願いします。

開咬(かいこう)

上下の歯をかみ合わせたとき、通常は上の歯が下の歯の上に重なりますが、開咬の場合、上下の歯がかみ合わず、隙間が空いてしまいます。
舌が口腔内に収まるスペースがなく、前方に出てきてしまう(とくに嚥下時)ので上下の歯がかみ合わなくなるのです。

開咬(かいこう)

【原因】

  • 遺伝的な要因としては、上下のあごの成長不足による舌のスペース不足が考えられます。この場合、呼吸、耳鼻科的要因なども考慮して対応する必要があります。
  • 環境的原因としては、指しゃぶりや、ものを噛んだりする癖などがありますが、止めれば、治っていきます。

【治療法】

指しゃぶりなど、原因のはっきりしているものは、比較的治りやすいといえますが、一般的に、舌のスペース不足を解決せずに、ただワイヤー、ブラケットなどの矯正装置による矯正治療では、治すのは困難です。
ただ、叢生や他の不正咬合のように、見た目ではそれほどわかりませんから、気になる人も少ないようです。
ただ、見た目それほどではないですが、治すのは困難であるということです。ですから、当クリニックでは、開咬を主訴にして来られた場合は治療をおすすめしていません。
小学校低学年のお子さんであれば、やはり、バイオブロック治療により、改善することが出来ます。

このように、歯並びには、必ずその原因があります。
ヒトの体はまず“歯並び”が最初にあるのではなく、呼吸、嚥下など、まず生命を維持していくことが優先であり、“歯並び”は食生活とか、嗜好とか、噛み方とかも含めたうえでの“結果”なのです。
したがって、歯並びを治す場合はその原因を考え、対処法を決めて治していくのです。
けっして、安易に大切な永久歯を抜いてはいけません。